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山の上に建設!鉄塔ってどうやって建てるの?

2019.12.27

Construnction Industory Media

こんにちは、POPCONEのれいこです!

みなさまは道のない山の上に鉄塔が建っているのを見たことはありませんか?山の多い地域ではよく見る光景ですが、あの鉄塔は一体どうやって建てられているのでしょうか?山頂付近の急な斜面では重機などとても使えそうにありませんしそもそも道がなければ建築資材すら運べないように思いますよね。

今回はそんな気になる山間部での鉄塔の建て方についてご紹介していきたいと思います。

鉄塔を知る

山間部などで見かける送電用鉄塔は、架空送電線を支持するための構造物です。送電線には発電所と変電所、あるいは変電所同士の間に電気を送る役割があるので、発電した電気を消費者へ送るためになくてはならないものです。

架空送電とは?

架空送電は、鉄塔電線がいしでできています。電圧を高くして電気を送るため、鉄塔で地上から高いところに電線を支えてがいしで絶縁します。雷、台風、氷雪、豪雨などのときでも確実に電気を送ることができるように工夫されています。

鉄塔

電線を支えるものには鉄塔鉄柱鉄筋コンクリート柱木柱などがありますが、主として送電線には強度と信頼性が高い鉄塔が使われます。

電線

架空送電線はがいしで絶縁されているため、絶縁電線ではなく裸線を使用しています。硬銅線をより合わせた裸硬銅より線や、亜鉛メッキ鋼線を中心とし周辺に硬アルミ線を同心円に各層交互反対により合わせた鋼心アルミより線が使われています。

がいし

がいしは送電線や配電線などの電気の流れる電線と鉄塔・電柱とを絶縁するためのものです。がいしには太陽光や温度変化による自然劣化が少ない磁器製が使われています。また、がいしには電線の重量や電線を張る力、風圧などの大きな力がかかります。がいしの絶縁能力を高めるときは連結(直列)にし、強度を大きくしたいときは2連・3連(並列)にします。

地上高60m以上の鉄塔には、赤白に塗り分けられたり、航空障害灯としてフラッシュライトがつけられています!

 

送電用鉄塔はどのようにして建てられるの?

では、送電用鉄塔はどのように建てられるのでしょうか。ここからはふだんあまり目にすることのない送電線工事について、鉄塔を建てるための基礎工事から架線工事までご紹介していきます!

送電用鉄塔の建て方

送電ルートの決定後に現場の状況や地質調査を行い、各現場に合った鉄塔の仕様や資機材の輸送・工事の方法などを検討します。その後、事前調査に基づき鉄塔の基礎・高さ・形などを決定し設計ができたら建設工事に入ります。

鉄塔基礎工事

事前調査などによって決められた送電線のルートにそって電線を張るための鉄塔をつくります。まず、機械や人力で掘削し、コンクリートを流し込んで鉄塔を支えるための基礎を作る工事を行います。大規模な鉄塔では10m~30mの深さになるものもあります。

鉄塔組立工事

基礎が完成したら鉄塔を下から組み立てていきます。地上で鉄塔の部品をブロックごとに、作業スペースが確保できる場所であれば自走式クレーンを使って部材を組み立てます。スペースに限りがある場所では鉄塔の中心部分に専用のクレーンを建てて、鉄塔の高さが上がるとともにクレーンをせり上げるクライミングクレーン工法もあります。

電線架線工事

鉄塔が組み上がったら次は電線を張ります。鉄塔と鉄塔の間に細いロープを渡し、徐々に太いロープやワイヤーに引き替えてから最後に電線を引きます。他にもヘリコプターを用いた工法などもあります。

山間部ではどうするの?

現地まで道のない山間部の現場では資機材の輸送ルートの確保が重要になってきます。そのため、索道簡易のモノレールを敷設したりヘリコプターを利用するなど各現場に適した運搬方法で資機材を運びます。重機も分解して搬入し、現場で組み立てて使用しますが、地形などにより重機の搬入が困難な現場では人力で作業を行う場合もあります。

また、山地の作業で特に苦労するのが基礎に使用するコンクリートの搬入です。平地のようにミキサー車を配置することが困難であるため、少量ずつ回数を重ねてヘリコプターで搬入することもあります。

鉄塔の建設は数基まとめて行うことが多く、大規模な鉄塔では約4年~5年の期間になるものもあるそうです!

送電用鉄塔の強度基準

送電用の鉄塔の強度は全国一律で風速40メートルの風に耐えられるという基準が定められています。しかし今年9月の台風15号では、千葉県君津市で送電用の巨大な鉄塔2基が倒れたほか、大量の電柱が損壊した影響で千葉県を中心に大規模な停電が続きました。このとき千葉県では最大瞬間風速が70メートルに達していたとみられています。

このため、経済産業省は今の基準を改め地域の実態に応じて強度の基準を定める方針を固め、台風の接近が多い九州や四国のほか今回大きな被害を受けた千葉県などでは基準が今より引き上げられる見通しです。

 

日本一の高さを誇る送電鉄塔は「うさぎ島」にあった!

広島県竹原市の大久野島は700匹以上の野うさぎが生息していることから通称「うさぎ島」と呼ばれており、国内外の多くの観光客が癒しを求めて訪れています。そんなうさぎ島には日本一高い送電鉄塔「大三島支線」があります。その高さ226m、径間長は2,357m、本州と大三島を結ぶ日本一の高さを誇る送電鉄塔です。

海を挟んで2キロメートルを超える距離に建つ鉄塔は1本が10トンを超える送電線6本を支えており、鉄塔を高く丈夫にすることで送電線が重みでたわんだ状態でもその下を船が安全に航行できる高さを確保しています。また、海風による電線の振動を抑える装置や塩分による腐食を防ぐ対策を施した電線などは特別仕様となっています。

 

まとめ

私たちの暮らしを支える電気を安全に安定供給するためには送電線設備の存在は欠かせません。どこにいてもあたりまえのように電気が使えて快適な生活ができるのは、日本の隅々にまで張り巡らされた亘長(こうちょう)8万kmに及ぶ送電線24万基の鉄塔をつくりあげてきた多くのラインマンの存在があったからだと思うと、電気の大切さやありがたさがよくわかりました。これから送電鉄塔を見かける機会があったらこの記事を思い返して、違った視点から眺めてみるのもいいかもしれませんね。

本日はここまで!以上、れいこでした!

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