木造家屋は涼しい?木造建築の知恵と工夫とは!
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こんにちは!POPCONE GIRLSのとまこです!
今年も暑い夏がやってきますね。近年では当たり前のように空調機器を使用していますが、エアコンや扇風機もない時代の人々はどうやって暑さや湿気の対策をして夏を乗り切っていたのでしょうか。
また、鉄骨系の住宅が増える一方で、昔から続く木造住宅も変わらず選ばれ続けています。

今回は夏を少しでも快適に過ごすため、昔の日本人が木造住宅に込めた工夫についてご紹介します!
目次
木造家屋とは
木造家屋とは土台や壁、柱といった構造体に木材を用いた住宅のことです。木材には、杉やヒノキが採用されることが多く、木々のほのかな香りが立つのも木造住宅ならではの魅力です。日本には昔から木材が豊富に存在していたことに加え、寺社仏閣の建立が盛んになったことから木造建築技術が発展し、住宅にも木造建築が採用されるようになりました。

現在も国内のほとんどが木造住宅であり、日本の一戸建て住宅の約9割を占めています!
木造住宅の寿命
「木造住宅の寿命は約30年」という言葉を耳にしたことはありませんか? 国土交通省のこれまでの公表データによると、木造住宅の寿命は30年程度といわれています。木造住宅の場合、劣化が見られるとリフォームよりも建て替えを選択する場合が多く、他の住宅に比べると建て替えるまでの年数が短いためです。

設計方法や生活による影響で建物の寿命は大きく変わりますので、目安として考えておくと良いですね。
木造家屋は涼しい?
お寺や神社など印象から、木造建築には「中がひんやりとして涼しい」というイメージがありませんか?日本家屋は夏を快適に過ごすために設計されていると言われています。私たちの身近にある木造住宅には、夏をしのぐための数々の工夫が凝らされているのです。

日本の木造家屋は具体的にどのような仕組みで暑さを防いでいるのでしょうか?
木造家屋の暑さ・湿気対策
木造家屋の暑さ・湿気対策にはいったいどのようなものがあるのでしょうか?

ここからは代表的な対策方法についてご紹介します!
縁側と庇
伝統的な日本家屋には多くの部屋の外回りに縁側があり、「軒」とも呼ばれる屋根の庇が縁側の上に張り出しています。これは、夏の直射日光が部屋に入るのを防ぐための造りです。

軒は木材を雨や日差しによる劣化から守る役割も果たしているといわれています!
障子と襖
日本の家は西洋建築に比べて壁が少ない造りになっています。部屋と部屋を隔てる間仕切りの役割を果たしているのは、障子と襖です。障子や襖をすべて開けると部屋がつながって風の通り道ができ、熱や湿気を逃がすことができます。障子は和紙を通して採光ができるので外に面した部屋に、襖は室内の部屋同士の仕切りに使われます。

風通しを変化させることで室内温度を調整する機能があります!
茅葺屋根
木造家屋の屋根といえば瓦がイメージされますが、瓦屋根よりもさらに歴史が古いのが茅葺(かやぶき)屋根です。ススキやヨシなどの草を乾燥させたものを重ねることでできており、通気性と断熱性が抜群です。また、水の気化熱を利用して室内の気温を下げる機能も備えているともいわれています。

梅雨の時期に屋根の中に雨水をため込み、夏の日差しや気温によってそれを蒸発させることで室内の温度を下げています!
木造家屋の特徴
木造家屋にはさまざまな知恵や工夫が凝らされていることが分かりましたね。木造家屋は鉄骨造などと比べて、どのような特徴があるのでしょうか?

ここからは木造家屋の特徴をそれぞれの観点からご紹介します!
コスト面
木材を使用して構造体をつくるため構造体が軽く、基礎工事にあまり手間がかかりません。鉄骨系の場合はあらかじめ構築材に耐火処理や防錆処理を施す必要がありますが、木造住宅は木材自体の種類や厚みによってある程度の耐火効果を発揮できるため、下処理が比較的簡単に済みます。

このように構造体が軽く下処理が簡単に済むことから、建築費用を抑えることができます!
調湿効果
木材には調湿効果があると言われています。室内の空気が乾燥すると木材中に蓄えていた水分を空気中に放出し、乾燥をやわらげてくれます。湿気の多い季節は、空気中の水分を木材が吸い込み湿気を緩和させるため、結露やカビの発生を抑えることができます。
木造ならではの空間
木造住宅の大きな魅力といえば、自然素材に囲まれた落ち着きのある空間です。天然の木材を使用することで自然の魅力溢れる空間となり、あたたかみのある家づくりができます。

木造住宅には香りや視覚による癒やし効果があるといわれています!
木造家屋のデメリット
木造家屋にはメリットが多い半面、いくつかデメリットも存在します。木造家屋を検討する際は、デメリットもしっかりと把握しておくようにしましょう。

ここからは木造家屋のデメリットをいくつかご紹介します1
耐久性
大きなデメリットとして挙げられるのが強度や耐久性の問題です。高い耐久性を誇る鉄骨系の住宅に比べると木造住宅は強度が低く、耐震面も低いといわれています。

構造体自体への影響が出る前に対処するなど、定期的なメンテナンスや住み方によって対策をとることは可能です!
施工や仕上がりのばらつき
新築で木造家屋を建てる場合、木材を現場に運びその場で組み上げて建築していきます。規格寸法はある程度決まっているものの、基本的には現場で加工してそのまま施工となるので、職人の腕や施工会社の方針によっては施工方法や品質、住宅の仕上がりにばらつきが生じることがあります。そのため自分が満足できる木造住宅を建ててくれる施工会社や職人選びが重要となります。

工事期間中から積極的に現場へ足を運ぶようにして、気になることは直接伝えるようにしましょう!
害虫被害
天然の木材を構造体に用いるため、シロアリなどの害虫被害が生じることがあります。定期的な点検や薬剤散布など日頃からメンテナンスを行い、構造体へ侵食させないための対策をとるように心がけましょう。
自然災害による劣化
鉄骨系の住宅に比べて、自然や気象による災害を受けやすいというデメリットがあります。近年多く見られるのが台風による被害です。可能な限り被害を防ぐためにも、新築の場合は基礎工事の段階で災害対策も視野に入れておきましょう。

被害を受けたときに、ほかの住宅構造に比べて修理がしやすいというのは木造住宅のメリットのひとつです!
まとめ
木造家屋は日本人になじみ深い木材を使用していることから、自然の効果を感じられる落ち着きある住まいとなっています。コストが抑えられるなどメリットは豊富ですが木材の性質上、耐久性や害虫問題などデメリットも存在します。木造住宅を検討する際は、メリットとデメリットの両方を理解したうえで判断するようにしましょう。

木は単に伝統的な建材というわけではなく、知恵と工夫によって日本の気象条件や材料としてのデメリットを克服してきた、理にかなった材料と言えますね!
以上、とまこでした!次回もお楽しみに!