【和室】ずっと昔から現代まで残る!和室の要素と畳について
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こんにちは!POPCONEのにゆです。
日本人にとって和室はとても馴染み深いものです。神社仏閣巡りや御朱印集めが女子の間でも流行っているので、若い人たちが歴史ある和室を目にする機会も増えてきています。
私たちのとても身近にある和室ですが、皆さまは和室がどんな要素から成り立っているのか知っていますか?今回は、現代の建築にも残っている伝統的な和室の要素と日本発祥の床材である畳についてをご紹介していきます。

何となく聞いたことがあるけれども詳しくは知らなかった、なんて用語が盛りだくさんです!
目次
現代の和室はどうなっているの?
和室はその時代に生きた人々の暮らしに合わせ、さまざまな様式が生まれました。
(※和室の建築様式や特徴については、前回の記事をご覧ください)
【和室】時代とともに進化する!日本伝統の建築様式と特徴
皆さまのお家に和室はありますか?今の和室には昔の日本で使われていた建築様式が受け継がれていますが、実は和室の建築様式はひとつではないんです!今回はそんな和室の歴史と、3つの建築様式について調べてみました。
現代の和室は伝統的な型にとらわれることなく、デザインもおしゃれなものがたくさん作られるようになりました。昔では考えられなかった個性的な配色にしたり、和室には珍しい素材を用いたりと、自由度はかなり高くなっています。
しかしいくら自由で個性的になっても、現代の和室に残る昔ながらの和室の要素はたくさんあります。和室は時代の価値観によって変化はしても、常に日本で快適に暮らせるよう考えられているのに変わりはありません。

ずっと昔に生まれた和室の要素が、現代まで残っているのは驚きですね!
和室を構成する要素

では、和室を構成する要素というのは具体的にどのようなものなのでしょうか?
出典元-Wikipedia「和室」、著作権者:Ignis
床の間(とこのま)
床の間は床を一段高くした板張り空間で、お客様をもてなすために壁に掛け軸をかけたり、花や置物などの美術品を飾られることが多いです。現代では和室に床の間自体がないという住宅も増えていますが、昔ながらの住宅にはほぼ必ず床の間がありました。
床の間はもともとは身分が高い人が座る場所で、その名残として今でも和室において床の間を背にする部分は上座となっています。

床の間の起源は、なんと奈良時代と言われています!
鴨居(かもい)
鴨居とは、障子や襖などの引き戸を設ける部分の上にある建具溝のついたものです。下にある敷居よりも溝が深く掘られており、引き戸を外すときは少し持ち上げると簡単に溝から外れる仕組みになっています。敷居と対になる部材です。
敷居(しきい)
敷居とは、障子や襖などの引き戸を設ける部分の下にある建具溝のついたものです。鴨居と対になる部材です。
「敷居は踏んではいけない」と子どもの頃に言われたという方もいるかもしれませんが、これは敷居がその家の主人の象徴であるという考え方や、畳の下に隠れている忍に刺されないための武士の戒めの名残などさまざまな説があります。いづれにせよ、敷居は踏むとすり減ってしまい家が歪んでしまうので、踏まないに越したことはないでしょう。

敷居についてもうひとつ!義理を欠いてしまい相手と顔を合わせづらいことを「敷居が高い」と言いますよね。敷居は部屋の外と中を区切るものなので、気まずくて入りづらいという気持ちからこの言葉ができたようです
小壁(こかべ)
小壁は、鴨居と天井との間にある幅の狭い壁のことを言います。
長押(なげし)
長押は鴨居の上からかぶせたりして取り付けられる、柱から柱を水平につなぐ横木です。
欄間(らんま)
欄間は和室と和室との間仕切り壁にはめ込まれた、格子や透かし彫りの板のことです。風通しや室内の明るさ調節のために設置されていますが、同時に装飾の役割もあります。洋風の建築スタイルが流行りだしてからはあまり見られなくなりましたが、現在では形を変えて窓の上部に使われている場合もあります。
和室にはかかせない「畳」について
畳の歴史

畳ってなんとなく昔のものだとはわかりますが、いつからあったのでしょうか?
日本の中には中国から伝わった文化も多いですが、畳は日本固有の敷物になります。畳についての一番古い記述は、なんと日本最古の書物である古事記の中!そこからだんだんと進化していき、今の畳と似たような形になったのは平安時代と言われています。
平安時代の畳は身分によって厚さやへりの柄が違い、床に置くことで座具や寝具として使われていました。床全体に敷き詰めるようになったのは書院造りが発展した室町時代からで、その頃の畳は貴族や武士の富の象徴だったと言います。庶民が使えるようになったのは江戸時代に入ってからです。

今では当たり前のように使われている畳も、昔は身分の高い人のものだったんですね!
畳の効果

畳は昔から日本で使われていたことがわかりましたが、畳を使うことで何か良いことはあるのでしょうか?
畳は、実は日本で快適に暮らすのにぴったりな機能がたくさんある優れた床材です。畳を使うことで、具体的には下記のような効果があります。
- リラックス効果のあるイ草の芳香成分
- 日本の風土にぴったりな吸放湿性
- 高い断熱性と保温性
- 歩いても足音が気にならない吸音・遮音効果
和室独特のさわやかな香りは、畳に使われているイ草によるものです。イ草の香りにはリラックス効果があることが科学的にも証明されており、部屋にいながら森林浴をしているような効果を与えてくれます。また、このイ草は部屋の湿気を吸収したり吐き出したりしてくれるので、高温多湿な日本の風土には欠かせない吸放湿性をもっています。
さらに、畳の構造は空気をよく蓄えるようにできており、この空気が冬の冷たさを遮断してくれます。空気はクッションの役割もあるので衝撃をやわらげ、足音なども吸収してくれます。

畳は日本で快適に暮らすためによく考えられた床材だったんですね!ずっと昔から今でも残っているのも納得です。
まとめ

では、ここで一度振り返ってみましょう!まずは和室を構成する要素です!
床の間 | 床を一段高くした板張り空間 |
---|---|
鴨居 | 引き戸を設ける部分の上にある建具溝のついたもの |
敷居 | 引き戸を設ける部分の下にある建具溝のついたもの |
小壁 | 鴨居と天井との間にある幅の狭い壁 |
長押 | 柱から柱を水平につなぐ横木 |
欄間 | 間仕切り壁にはめ込まれた格子や透かし彫りの板 |

次に、畳についてです!
- 畳は日本固有の敷物
- 今の形になったのは平安時代で、庶民に普及したのは江戸時代
- 使用されているイ草は、香りによるリラックス効果と吸放湿性に優れている
- 畳の構造は空気を蓄えるので断熱性と保湿性に優れ、足音も吸収してくれる
現代ではひとりひとりの生活スタイルに合わせた個性的な和室がたくさん出てきていますが、それでも昔からある和の要素はちゃんと軸として残っているようです。

今に至るまでにさまざまな進化をしてきた和室なので、これからも形を変えながら残っていて欲しいですね。
以上、本日はにゆがお届けしました。次回もお楽しみに!