大人の隠れ家!地下室をつくる上でのメリット・デメリットを徹底解説!
Construnction Industory Media

こんにちは、POPCONEのとまこです!
「周囲に気兼ねなく大きなスクリーンで大音量で映画を観たい」「楽器演奏がしたい」「創作活動の場が欲しい」、そんな方におすすめの空間が地下室です。地下室は趣味が楽しめる空間だけでなく、狭い土地に家を建てる場合に居住空間を増やすための手段としても注目されています。日本では住宅に地下室を取り入れるのはまだまだ少数ですが、憧れている人も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、地下室をつくる上でのメリットやデメリットについてご紹介したいと思います!
目次
地下室とは?
地下室とは、建築基準法では「地階」といい床が地盤面より下にあって天井高の3分の1以上が地盤面より下にある空間を指します。
地下室のタイプ

地下室には以下のようにさまざまなタイプがあります。
全地下タイプ
部屋全体が地下に埋まっているタイプです。視線が気にならないほか、断熱性や遮音性に優れています。
半地下タイプ
部屋の半分が地盤面の上に出ているタイプです。光を取り込むことができるので、明るい地下室をつくることができます。
ドライエリアをつくるタイプ
ドライエリアとは、建物の周りの地面を深く掘り下げることで造られたスペースになります。地下室に掃き出し窓のような大きな窓を設置する際に造られます。
地下室のメリット
容積率が緩和され、家を広く作れる
土地にはそれぞれ容積率が規定されており、土地に対して建てられる面積が決められています。しかし地下室の規定に該当すれば延床面積の1/3までが容積率算定の際緩和され、地下を造らない場合よりも家を広く建てることができます。狭小地を有効活用するにはぜひ活用したい制度です。
遮音性が高い
特に全地下タイプの地下室は遮音性が抜群なので誰にも邪魔されず楽器の練習をしたり、音楽や映画などを大音量で楽しんだり、地上階ではご近所を気にしてできなかったこともできます。
温度が安定している
日本には四季があり、真夏は30度以上まで気温が上がる反面、真冬は1桁台まで気温が下がります。しかし、地下室というのはそうした外気温に影響を受けず1年を通して温度がほぼ一定ですので、貯蔵庫として利用されることも多いです。保管が難しいと言われるワインですが、地下にワインセラーが作られることが多いのは温度・湿度の管理のほかに直射日光や振動などの点で地下が適しているからなのです。
地震に強い
地下室は地震に強いと言われています。建物は地表より高くなればなるほど地震の影響を受けやすくなり、高層マンションの高階層のほうが揺れを大きく感じてしまうのはこのためです。一方、地下室は地盤に囲まれているため地震の揺れが軽減されます。
地下室のデメリット
建築費が高くなる
地下室をつくるとなると、家を建てる敷地を掘るために重機を入れて土を処分したり、部屋の形状を作成するために大量のコンクリートを用意したり電気や空調など必要な設備を入れなければなりません。また、ボーリング調査費用、山留工事費用、防水工事費用、防カビ工事費用などさまざまな費用がかかってきます。
結露しやすい
土に埋まった状態で温度が一定の地下室は、特に夏場に結露しやすいという特徴を持っています。地下室の外は高温多湿ですが、地下室内はひんやりとしているので温度差が生まれて結露が発生してしまいます。また、コンクリートで地下室を造っている場合、コンクリートから完全に水分が抜けるまでは時間がかかります。完全に水分が抜けていないうちはさらに湿気がこもりやすくなるので、夏はできるだけ外気を家の中に入れないようにして除湿器を使うようにしましょう。

換気や除湿の設備は不可欠です。
浸水に注意が必要
ドライエリアを設けるのなら雨水対策が必須になってきます。近年、台風やゲリラ豪雨によって地下室での浸水が発生しています。地下室は文字通り地面より下にありますので、そこにドライエリアという空間を設けることを検討するのであれば浸水に対する備えをしなければなりません。土のうを積んだり逆流防止弁付きのポンプ施設を設置したり、ドライエリアの手すり(コンクリート)をある程度の高さにまで上げておかなければなりません。
ドライエリアのメリット・デメリット
ドライエリア最大のメリットは地下に自然の光と風を取り込めることです。ドライエリアを設けると地下室には上から自然の光が入ってきます。窓から風を取り入れて自然に換気ができるので暗さや湿気といった悩みを解消でき快適に過ごすことができます。また、地下室を居室にする場合は建築基準法で定められた条件を満たしていなければなりません。ドライエリアをつくることで地下室を容積率の緩和対象となる居室にすることができます。
デメリットとして心配なのは雨の問題です。ドライエリアに降り込んで溜まった雨水は排水ポンプで排出します。排水ポンプの寿命は10年程度と言われており、定期的なメンテナンスが不可欠です。ゲリラ豪雨や洪水のときに地下空間への浸水をできるだけ遅らせることが重要になってきます。地上に出ているドライエリアの壁をある程度高くしてドライエリアに水が流れ込まないような対策を講じておくことが重要です。

地下室をつくる場合はその土地の状況を事前に調べ、建築会社と相談して検討しましょう!お住いの地域、もしくは家を建てようと思われているエリアのハザードマップを見て、洪水が起きたときに予想される水位を確認しておくのもいいでしょう!
地下室で地震に自信
部分的な地下室をつくることも可能ですが、おすすめしたいのは1階部分と同じ広さの総地下(フルベースメント)にすることです。一部だけが地下室の場合よりも防水面での施工がしやすいメリットがあります。また、通常のベタ基礎よりもさらに地盤面よりも深く基礎をつくることになるため家全体の耐震性がアップします。地震時は地下室を取り囲むコンクリート壁が土壌と一体となって振動の力を吸収するため地上の構造物に比べてダメージは小さいことが実証されています。

地下室付きの建物は地上階だけの建物に比べ揺れの大きさが半減するそうです!
地下室をつくるのに費用はどれくらいかかるの?
一般的な住宅の費用相場は、建築費用を床面積で割り坪単価を算出することが多いですが地下室は地上部分とは建築工程が大きく異なるため坪単価で単純に費用を算出するのは難しいと言えます。地下室の建築工程を簡単に説明すると以下の流れになります。
- 地面を掘る
- 防水工事を行う
- 鉄筋を設置する
- 型枠をつくる
- コンクリートを流し込む
地上階だけの住宅を建築する場合に比べ、地下室を建築する場合に特別に必要となる費用項目として、土を掘り出す大型掘削機や山留めを打ち込むための杭打ち機械・コンクリート車など地上のみの住宅建築では使用しない特殊な重機や車両が必要です。また、ボーリング調査費用や残土の搬出処分費用、防水工事費用、断熱工事・除湿設備工事・全熱交換型換気設備工事などがかかってきます。
地下室の建築費用は、地盤の状態・面積・土地の条件などによって大きく変動します。新築の場合、低く見積もっても通常の坪単価の2倍はコストがかかります。一般的に地下室付き住宅の新築費用は、そうでない住宅の2倍以上になるとされており2階建てが総工費2,000万円で建設できる場合、そこに地下室を付けると総工費は4,000万円以上になります。
まとめ
今回は快適な地下室のつくり方や、そこにかかる費用の問題などをご紹介してきました。家を広く作れる、趣味を思いっきり楽しめるなどメリットもたくさんありますが、設置に高額な費用がかかってしまうことも事実で、地下室はまだまだ一般的とは言えません。
しかし、地下室をつくる上でのメリットや工夫すべきポイントなど事前に知っておくことで、より良い地下室のある家を手にすることができます。地下室は居住空間、趣味の部屋、子供の遊び場などさまざまな用途があります。注文住宅を考えておられる方やこの記事を見て気になった方は予算を考慮しつつ検討してみてはいかがでしょうか?
本日はここまで!以上、とまこでした!