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現場で働く人々の健康を守る作業環境測定士の役割とは

2019.10.26

Construnction Industory Media

こんにちは、POPCONEのあやです!

工場建設現場などではさまざまな物質を扱ったり、高温・低温下で作業を行うこともあります。他にも大きな騒音がする現場や、ヒ素クロム水銀などさまざまな有害物質を取り扱う現場、海中や高山での仕事などでは気圧の変化など、このような現場環境が原因で労働者に健康被害が及ぶことがあります。

そのような労働災害を未然に防ぐ存在である作業環境測定士についてご紹介していきたいと思います。

作業環境測定士の仕事

作業環境測定士とは?

作業環境測定士とは、鉛・放射性物質・有機溶剤・鉱物の粉塵など有害物質が発生する作業現場において、作業環境を測定、分析、改善して労働者の健康を守る専門家として国家資格にも指定されています。また、有害物質を取り扱う作業場では、作業環境測定を定期的に実施することが義務付けられています。

作業環境測定士の仕事内容は?

作業環境測定士の仕事は作業現場の環境改善となりますが、具体的な仕事内容は多岐に渡ります。作業環境測定士の活躍の場は労働安全衛生法で定められた有害業務を行っている現場です。

作業現場において、切る・削る作業では粉塵が舞い、塗装では塗料に含まれる有害なガスが拡散されます。これらの有害物質によって労働者の身体に異常が発生してしまう恐れがあるため、事業者は現場環境の状態を把握する必要があります。そのような作業現場における環境状態を調査・分析・改善するのが作業環境測定士の仕事です。

大まかな仕事内容は以下の通りです。

有害物質のサンプリング

測定現場でのサンプリング採取も作業環境測定士の仕事です。有害物質と言ってもさまざまですが、ヒ素やクロム、水銀などの有害物質は健康被害が現れるだけの量が流出してしまったとしてもすぐに気づくことはできません。このような有害物質の流出をサンプリング調査を通して未然に防ぎます。

職場環境改善のアドバイス

採取したサンプリング調査の結果を分析し問題があることが判明したときは、その改善を促すためのアドバイスを事業所や企業に対して行わなければなりません。

担当現場への定期的な訪問

作業環境測定士は一度サンプリング調査を行ったらそれで終了ではなく、担当した現場を定期的に訪問し改善策がしっかりと実施されているか、再度サンプリング調査を行い確認しなければなりません。

作業環境測定士として、具体的な改善方法を提案するためには有害物質に関する正しい知識や取り扱い方を知っておくことも重要ですね!

 

作業環境測定士になるには?

作業環境測定士の資格には第一種第二種2種類があります。

では、それぞれ詳しく見ていきましょう!

第一種作業環境測定士

第一種作業環境測定士は、作業環境測定におけるデザイン(測定計画の立案)サンプリング(試料の採取と分析の下準備)簡易測定器による分析業務など、作業環境測定士の資格所有者に許可されたすべての業務を行うことができます。また、有害物質を対象としたこの資格はそれぞれに特化した下記の5種類に分類されています。

  • 放射性物質
  • 鉱物性粉じん
  • 特定化学物質
  • 金属類
  • 有機溶剤

第二種作業環境測定士

第二種作業環境測定士は、サンプリング、デザイン、簡易測定器による分析業務のみを行うことができます。

作業環境測定士の受験資格

国家資格である作業環境測定士の資格は受験資格も厳密に決められています。

  • 理系の大学または高等専門学校の卒業者で、実務経験が1年以上ある方
  • 理系以外の大学または高等専門学校の卒業者で、実務経験が3年以上ある方
  • 技術士試験の第2次試験に合格している方
  • 労働衛生の実務に8年以上従事した経験がある方

また、これ以外にも受験資格は細かく指定されているため、詳細は公益財団法人安全衛生技術試験協会のHPをご確認ください。

 

作業環境測定士の試験方法

試験は第一種、第二種ともにマークシート方式となっており、正解率60%以上で合格となります。試験内容は以下の通りです。

第一種作業環境測定士

共通科目

  • 労働衛生一般
  • 労働衛生関係法令
  • デザイン・サンプリング
  • 分析に関する概論

選択科目

  • 有機溶剤
  • 鉱物性粉じん
  • 特定化学物質
  • 金属類
  • 放射性物質

第二種作業環境測定士

共通科目

  • 労働衛生一般
  • 労働衛生関係法令
  • デザイン・サンプリング
  • 分析に関する概論

難易度と合格率

  2018年 2017年 2016年 2015年 2014年
第一種作業環境測定士 65.3% 71.1% 59.4% 67.5% 62.0%
第二種作業環境測定士 41.5% 40.4% 36.5% 37.5% 39.0%

 

作業環境測定士の難易度は中程度と考えていいでしょう。試験の受け方として、まず最初に第二種を受け、合格後ある程度の経験を経て第一種を受けるという傾向があります。第二種に比べ第一種のほうが合格率が高い背景として、第一種については5つの科目のうちひとつを選択するものですが第二種では4科目すべてを受験しなくてはならず、このような結果になっていると考えられます。

作業環境測定士の年収

作業環境測定士の年収は、300万円~500万円と一般的な会社員とそれほど変わりない水準です。中には、長年の経験を活かし労働環境に関するコンサルディング業を営み、1000万円近い高年収を得られている方もいます。

 

作業環境測定士の現状と将来性

作業環境測定士は多くの企業や事業所を対象とすることから仕事が絶えることがなく、安定した収入が期待できます。また、近年では地球環境に加えて労働環境への配慮を重視する企業も増えてきており、作業環境測定士の需要は今後も拡大していくと期待されます。

 

まとめ

工場や作業現場には多くの物質が発生します。大気中に発生する粉じんや有害な化学物質は、働く人々の身体に取り込まれ身体的なストレスとなり、時には病気の原因にもなります。作業環境測定士はそういった労働環境の問題点を改善する上で必要不可欠な存在と言えます。また、働く人々の健康を守るという大きな使命が課される点では大きなやりがいが感じられる仕事でもあります。

さまざまな現場で働く人々の健康を守り、世の中に貢献したいと思っている人や、生物や化学の知識がある人にはおすすめの資格ですのでぜひ検討してみてはいかがでしょうか?

本日はここまで!以上、あやでした!

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