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こんにちは、POPCONEインタビュアーのとまこです!
お住まいをさらに住み良い環境へと生まれ変わらせるリフォーム。経年劣化による設備の老朽化や汚れなどが気になっている方も多いのではないでしょうか?
マンションをリフォームをする上でどんなポイントに注意するべきかよく分からないという声も少なくありません。「リフォームをスムーズに進めるためにはどうすればいいの?」「専有部分と共有部分って聞くけど、いまいち違いが分からない」など疑問を持つ方もいるはずです。

今回は居住者の不安点や疑問点に応え、快適なマンション生活を叶えてくれるマンションリフォームマネージャーという資格についてご紹介していきたいと思います。リフォームする際の注意点や、マンションリフォームマネージャーの資格をどのようにして取得していくのか、見ていきましょう!
目次
マンションのリフォームする前に知っておくべきこと
専有部分と共有部分

事前準備をしっかりとしておくことがリフォームを成功させるコツです!
始めに、戸建てのリフォームと違いマンションのリフォームではどんなことに注意しなくてはいけないのでしょうか?
マンションの場合は一戸建て住宅とは違い個人で勝手にリフォームしてはいけない部分と自由にリフォームしていい部分が分かれています。「区分所有法」という法律に沿ってつくられた管理規約と使用細則というものがあり、これは所有者がそれぞれ快適に暮らせるようにと決められているものです。住人はそれらを決まり守って工事をしなくてはなりません。
基本的にリフォームをして良い場所が「専有部分」、リフォームできない部分が「共有部分」になります。
専有部分 | 独立した住居、および床や天井など壁に覆われて遮断された空間 |
---|---|
共有部分 | 敷地内の専有部分を除いたエリア全て |

リフォームといっても内容が異なるため、あらかじめリフォームできる範囲や仕様をしっかり確認することが大事です。では、マンションの共有部分とは具体的にどこの部分になるのでしょうか?
下記が主な共有部分です。
- ベランダ
- 窓のサッシ
- バルコニー
- エレベーター
- エスカレーター
- その他、専有部分以外の場所や設備
意外に思う方も多いかもしれませんが窓のサッシはマンション全体で共有している部分に入ります。そのため窓のサッシを含む部分をリフォームする場合は管理組合への申請と決議の可否をともないます。

専有部分と共用部分に関してはマンションの管理規約にも掲載されているため、リフォーム前に一度チェックしておくことをおすすめします。
工事の前に配慮しなくてはならないこと
マンションリフォームをする際に、工事前に気をつけるポイントは以下の通りです。
- 管理組合への申請
- 近隣の住民の方への挨拶・お断り
- 住宅設備の増設の有無
事前に管理組合への申請を行うことを前提として、近隣の方々へのお断りや挨拶も前もって行わなければなりません。工事中には騒音や資材の運び込みなどもあるため、事前にリフォームの期間がどれくらいかお知らせをするなど住民の方々への配慮を忘れないようにしましょう。

また、電気やガスなどの設備を増設する場合にも注意が必要です。
工事中から工事後に配慮しなくてはならないこと
工事中、また工事後に気をつけるポイントには以下の5点があります。
- 工事中のお住まい場所
- 住宅の構造体
- 共有部分と専有部分の確認
- 工事期間
- 工事後のアフターケアサービス
大がかりなリフォームの場合には工事中に部屋で生活することができないため、生活する場所を事前に決めておく必要があります。工事期間の長さによってもその間の生活費が変わるので、あらかじめスケジュールを確認しておきましょう。
また、専有部分・共有部分のエリア分けに関してはリフォーム業者との打ち合わせの際など事前に管理規約を提出し、遅くとも工事前には共有しておくようにしてください。

工事が終了してから快適に生活できるよう、アフターケアサービスが充実しているリフォーム業者に依頼するのも重要なポイントです。住宅設備の延長保証や設備にトラブルが生じたときもすぐに駆け付けて対応してくれる制度が整っているかどうかを確認しておくと安心して生活ができます。
マンションリフォームマネージャー資格取得方法
マンションリフォームマネージャーとは?
マンションリフォームマネージャーとは1992年に新しく制定された資格です。2016年3月までの24年間で試験に合格した人数は総計約10,200人にものぼる、大変注目されている資格です。

マンションリフォームマネージャーは幅広い年齢層の男女が目指せる、マンションに関するさまざまな情報を知れることができる民間資格です。
マンションリフォームマネージャーの勉強方法
マンションリフォームマネージャーの試験対策は、試験を行う団体が作成しているテキストや対策問題を使って問題に触れることが必須となります。
建築基準法の法規を重点的に行い、また設計製図による試験の対策に過去の問題集を使い問題慣れしておくことがマンションリフォームマネージャー合格へのポイントです。
マンションリフォームマネージャーの試験内容
マンションリフォームマネージャーの試験はマンションの専有部分のリフォームを行う際に、その部屋で暮らしている人の希望を叶えるためのスペシャリストとしてマンションの管理組合やリフォーム会社などと協力し合い、価値のあるリフォームを行うため技能があるかどうかを見極めるものになります。
学科試験と設計製図による試験の2種類があります。
学科試験
学科による試験では、マンションリフォームに関する専門的な知識が求められます。
この試験は四者択一で全部で50問出題され、試験内容は以下の通りです。
- 計画・基礎知識
- 法規・規約・制度
- マネジメント
- 住戸内各部のリフォーム
- 設備のリフォーム

学科による試験に合格するには満点250点で、150点以上の獲得が必要です。
学科試験の合格点数は以下の通りです。
計画・基礎知識 | 20点 / 50点 |
---|---|
法規・規約・制度 | 25点 / 50点 |
マネジメント | 25点 / 50点 |
住戸内各部のリフォーム | 25点 / 50点 |
設備のリフォーム | 25点 / 50点 |
設計製図による試験
設計製図による試験では、ランクAと採点された場合に合格となります。マンション専有部分のリフォーム設計図書の作成となっており、これには平面図や留意事項説明が含まれます。
試験の費用
マンションリフォームマネージャーの資格試験は年に1度、10月に行われ、試験料は14,000円となります。

前年度または前その前の年度に、学科による試験または設計製図による試験のどちらか片方に合格している時は、申請を行うことにより10,800円に割引されます。
マンションリフォームマネージャーになれたら

マンションリフォームマネージャーの資格はどのような仕事に役に立つのでしょうか?
マンションリフォームマネージャーはリフォーム業者、ゼネコン、設計事務所の独立・開業を目指したい人に向いていると言えます。マンションリフォームマネージャーの資格を保有していると、手当や収入アップにも繋がるので、マンションリフォームマネージャーの資格を取得したあとに、設備業の設計部門や建築事務所などで勤める人が多く、専有部分のリフォームに関するスペシャリストとしてお客さんからはとても信頼されます。
マンションのリフォームは戸建てと違って区分所有者となりますので、近隣との関係性などのいろんな条件を加味したリフォーム計画の策定や施工を行わなければなりません。お客さんの希望を叶え、価値のあるリフォームを行うためにはマンションリフォームマネージャーは無くてはならない存在です。
また、マンション専有部分のリフォームだけに留まらず、マンション修繕やマンション管理などのいろいろな業種で活動する人が増えており、売買の際でもマンションリフォームのスペシャリストであるマンションリフォームマネジャーは必要とされており、活躍の場は広がってきています。

マンションリフォームマネジャーの資格はそれだけで独立することは難しいので、独立を考えているなら他の住宅に関わる資格も合わせて取得するのが良いでしょう。
まとめ
マンションの専有部分のリフォームにおいて、居住者の要望を実現するために活躍するマンションリフォームマネージャー。試験に合格することによって専門知識をもって、管理組合や施工者と協力・調整しながら、居住者に付加価値の高いリフォームを企画し提供する業務推進能力があることが認定されます。
マンションリフォームマネジャーはマンション標準管理規約(国土交通省)のコメントで、「管理組合が支援を受けることが有用な専門的知識を有する者」として位置づけられています。
先ほどご紹介したとおり学科試験と設計製図試験の両方に合格してマンションリフォームマネジャーとして認められると、マンション専有部分のリフォーム工事だけでなく、マンション大規模修繕、中古マンションの売買、インテリアデザイン、マンション管理等多様な業種において、活躍することができます。

資格を取得すれば性別や年齢関係なく活躍できるようになるので、これからの時代にはとても合っている資格ですね!
以上、とまこでした。次回もお楽しみに!