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危険といつも隣り合わせの建設現場で多い事故と抱える問題①

2019.9.30

Construnction Industory Media

こんにちは!POPCONEインタビュアーのまほです!

いつも危険と隣り合わせになる建設現場。建設現場では転落事故建材などによりケガをしてしまうケースがあるなど、不安に思うことも少なくないのではないでしょうか。

今回はそんな建設現場でどういった事故が起こりやすいのか、現代の建設業が抱えている問題をお伝えしていきたいと思います!

建設現場で起こってしまう労災

墜落・転落事故

業種別死亡者の割合は建設業が1位(36%)という結果になっています。これは2位の製造業に倍近くの数字をつけて断トツです。

死亡事故の中で圧倒的に多いのが「墜落・転落」で、これだけでなんと全体の4割を占めています。自分自身が足を踏み外して下に落ちたり、マンホールなどの穴に落ちてしまうことが最も死亡事故に繋がるということです。
その他は何かに挟まれるという事故が約1割、墜落・落下は0.5割となっています。

労災が発生しやすい時期と理由

労災の発生は8月、10月、12月が多く、少ない月の倍以上の発生状況です。8月は暑さによるものであり、10月は寒暖差の激しさ、12月は繁忙期と寒さにより動きがわるくなることが原因だと思われます。

また事故がおきやすい時間帯は朝7時から上がっていき11時をピークになっています。朝からの疲れが出てきて、お昼休みを目の前にして気持ちが緩んでしまうという心理的な原因が考えられます。

墜落・転落災害は全体の39.1%の割合を占めている墜落・転落災害の原因は以下のとおりです。

  • 手すりの設置が不十分だった
  • 足場の固定が完全に行われていなかった
  • 安全帯を使用していなかった

このように基本的な措置が行われていなかったために起こっています。

まとめると死亡事故で最も多いケースは、8月、10月、12月の11時前後の「墜落・転落」であると言えるでしょう。一年を通じて特に11時前後の1時間後の安全に注意を向ければかなりの怪我を防げるかもしれません。

建設機械、クレーンなどの災害

建設現場、工事現場などで起こりやすい労災には建設機械やクレーンによる災害や倒壊・崩壊の災害などもあります。

建設機械・クレーン等の災害では以下のような原因があげられます。

  • 用途外の使用をした
  • オペレーターが後方確認を怠った
  • 重機誘導者を配置していなかった

倒壊・崩壊の災害では以下の原因があげられます。

  • 掘削するときに土止めを設置していなかった
  • 作業開始前の点検を怠っていた

近年ではほかにも建設業の高齢化が原因と考えられる転倒災害が増えてきました。また交通労働災害も増えています。これは事務所から現場に移動する時に乗り合いの車両で災害が起きるものです。

 

建設業にも広がるストレスマネジメントの波

最近では長時間労働やパワハラ等のストレスによる精神障害や自殺に関する労災請求が上昇し続けています。平成26年には労働安全衛生法が改正されたことで常時50名以上を雇用する事業者に従業員のストレスチェックの実施が義務付けられ、平成27年12月から施行されました。

実際に働く方はご存知かと思いますが、工事では「重層下請け」と言ってさまざまな職種の労働者が現場に入っています。休業日も少ない業界ということもあり、どんどん人が入れ替わるのでストレスが多い仕事環境だと言えます。

建災防では、ストレスによる労働災害を防ぐ手段を2つ提案しています。ひとつは「無記名のストレスチェック」によって現場全体の様子をチェックする、もうひとつは、「健康KY」によって個々の作業員の状況をスクリーニングすることです。

まずは現場の状況を知って、そこから状況に合わせて対策をしていきましょうという考え方ということです。

どこの業界でもストレスによる精神障害は増えてきていますね。きちんと事前に気づいて事故を未然に防げるようにする必要があります。

 

建設業界の人手不足

建設業就業者は年々減少傾向にあります。全産業の平均就業者数が横ばいなのに対して建設業は1997年を境に減少しています。2016年では平均の約半数まで減少していることがわかります。また鉄筋工や型枠工などの技能労働者も減少しています。ピークであった1998年には455万人いた技術技能者も、2011年では331万人に減り約100万人以上も減っています。

また全産業と建設業の有効求人率を比較してみると、建設業に関わる分野は全産業に比べて有効求人率が高く一人あたりの求人数の多さがわかります。特に建設躯体工事の有効求人率は高くなっており、建設現場の人手不足が原因であると考えられます。

建設経済研究所による調査によれば、2020年の建設就業者数は、05年と比較して約20%減少し、539万人から295万人ほどになると予測されます。さらに減少率は5年間で拡大しており、今後もこの傾向が続けば現在の人口では対応できなくなる可能性も指摘されています。

建設就業者数の推移

年度 2005年 2010年 2015年 2020年
建設就業者総数 539万人 448万人 364万人 295万人
5年間の減少率 ▲17.0% ▲18.7% ▲19.1%

 

また、17年3月の建設労働需給調査※によると、建設業全体で0.5%の不足となり、特に鉄筋工(土木)で2.0%と不足率が大きいことがわかりました。地域別にみると東北、北陸、近畿では過剰となり、沖縄で均衡、それ以外の地域では大工やとび職などの技能労働者が不足傾向でした。

今後の労働者の確保に関する見通しでは、「困難」とする割合が15.5%で、前年同月比で3.7ポイントの上昇となります。一方、「容易」としたのは13.6%で、対前年同月比で4.1ポイントの減少となりました。

今後の労働力確保の見通し

建設業界の人手不足は、国による建設労働需給調査によって見ることができます。

建設労働需給調査とは建設技能労働者の需給状況を把握し、公共事業を円滑に執行することを目的とした調査。国土交通省が毎月1回調査し、公表している。建設労働需給調査の対象となっているのは、建設業法上の許可を受けた資本金300万円以上の法人企業で、調査対象職種の労働者を直用する約3000社となる。(参照:weblio辞書

建設労働需給調査によるデータは下記のようになっています。

今月 前年同月
困難 15.5% 11.8%
普通 63.1% 62.8%
容易 13.6% 17.7%
不明 7.9% 7.7%

建設業界の人手不足の原因

少子高齢化により労働者が減少しているためどの業界でも人手不足です。しかしなぜ建設業では深刻な労働力不足が起こっているのでしょうか。人手不足の原因についてご紹介します。

若者離れ

建設業の人手不足の原因として、建設業界に興味を持つ若者が少なくなっていることが挙げられます。実際に1995年は64万9,000人だった20~24歳の建設業界入職者数が2010年では15万5,000人と7割も減少しているのです。

興味を持つ若者が少なくなった理由は建設業に対して「3K」の印象が強いからでしょう。3Kとは「きつい・汚い・危険」のことです。建設業では週休二日制が定着していなかったり肉体労働であったりと「きつい」ことは想像に難くありません。現場での作業のため雨が降ってきた場合は、「汚く」なることもあります。高い場所での作業のため命綱をつけているとはいえ「危険」です。

また若者離れの要因として建設業界の古い価値観と若者の価値観が合わなくなっているケースもあります。現在の若者は仕事に楽しさややりがいを求め人間関係を重視する傾向にあります。建設現場の叱られながら学ぶという古い価値観が今の若者には慣れないのかもしれません。

低賃金による離職率の増加

建設業界に入ってくる若者が減少していることに加え、離職率が高いことも人手不足の原因です。離職率が高い要因のひとつに賃金の低さがあります。2014年の全産業の一般労働者の平均年収は479万円なのに対し、建設業の男性生産労働者の平均年収は408万円と建設業は他の産業に対して年収が低くなっています。

給与が低くなる理由としては2つ考えられ、1つ目日給制であることです。月給制は月あたりの給与が一定額決まっていますが、日給制は遅刻・早退・欠勤によって給与が変わってくるため収入が不安定である傾向があります。また、もらった日給を時給に換算し直すと最低賃金よりも低いこともあります。

2つ目は建設業に公的な資格がないことです。スイスやドイツにはマイスター制といって公的な資格が存在します。そのため給与が高く、休暇もしっかり取れる仕組みがあります。一方、日本では建設キャリアアップシステムという制度はありますが、公的な資格ではありません。職人の技能を証明し、正しく評価するための仕組みではありますが、あくまでも給与設計をするときの目安であり具体的な給与額は各会社の裁量によります。

これら2つの理由によって、日本における建設業は職人の賃金が低く、離職率が高いのではないかと考えられています。

長時間労働による離職率の増加

長時間労働については、全産業の年間総実労働時間が1741時間に対して、建設業は2078時間になっています。

また建設業では29歳以下の若手の就業者は減っており、55歳以上の就業者が増えています。年配者にとって長時間労働をおこなうのは難しいでしょう。

こういった長時間労働も現場での事故発生率が上がってしまう原因といえるでしょう。

 

まとめ

どれだけ防ごうと思っていても、起こってしまうのが建設現場の事故。平成27年には327人の労働災害による死亡者が出ており、およそ1日に1名の死亡者が出ているのです。これに怪我の件数を加えると数は一気に跳ね上がり、平成27年には15,584人もの(休業4日以上の)死傷者が発生しています。それだけ建設現場は労働災害が起こりやすい場所なのです。

現代の問題である高齢化も事故の原因と言えます。これらを防ぐ方法はあるのか?次回は改善策予防策をご紹介していきたいと思います!

以上、まほでした!次回もお楽しみに!

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