世界初で世界最長?日本の「海底トンネル」と作り方
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こんにちは、POPCONEのれいこです!
「海底トンネル」と聞くと本州と北海道を結ぶ青函トンネルや、東京湾アクアラインにある自動車専用の海底トンネルなどが思い浮かぶのではないでしょうか?
対岸まで船や橋を使わなくても移動することができる便利な海底トンネルですが、地上ではなく水中に建設される海底トンネルがどのようにして造られるか、皆さまはご存じですか?

今回は海底トンネルの建設方法についてご紹介していきます!
目次
海底トンネルとは?

川や運河、海などの水域の底をくぐるように建設されたトンネルのことを水底トンネルと言います。水底トンネルは造る場所によって呼び名も変わり、その中でも海をくぐるものが海底トンネルと呼ばれています。
海底トンネルがつくられるようになった経緯
陸地同士をつなぐものには海底トンネルの他に橋もあります。しかし、橋の場合は船が通る場所では航行の邪魔になってしまうため数を増やせない、船がぶつからないように高い位置に設置しなければならない、空港近くには設置できないなどのデメリットがありました。
また、青函トンネルが通る津軽海峡は水深が深く海流が早いため、船で渡るには決して良い条件の海ではありませんでした。実際に昭和29年9月26日に起きた洞爺丸台風では多くの犠牲者を出しています。

こうしたさまざまな背景があり、「海の底にトンネルを作れば船の航行の邪魔にならず、危険な海を船で渡るより安全により確実により速く輸送することができるだろう」と採用されたのが海底トンネルです!
世界初で世界最長?日本の海底トンネル
世界初の海底トンネルは「関門鉄道トンネル」
世界初の海底鉄道トンネルは本州と九州を結ぶ関門鉄道トンネルです。1942年に下り線が、1944年に上り線が開通しました。開業後70年以上たった現在でも本州と九州を結ぶ物流の大動脈として活躍しています。現在では鉄道トンネルだけでなく、車道トンネルや人が歩ける「関門トンネル人道」もあります。
世界最長の海底トンネルは「青函トンネル」
そして世界最長と言えば、北海道と本州を結ぶ全長53.85キロメートルの「青函トンネル」です。戦前に構想が計画され、40年余年の歳月を経て1964年に着工し、1988年に開通しました。
青函トンネルは本州との安定した輸送ルートを確保するために誕生し、今もなお海底トンネルとして世界最長を誇っています。かつては寝台特急「北斗星」「カシオペア」、特急「スーパー白鳥」、急行「はまなす」などの列車が運行していました。

世界初と世界最長の海底トンネルがどちらも日本にあったなんて驚きですね!日本のトンネルの技術は世界でもトップレベルと言われているのには納得です!
海底トンネルの作り方は?

海底トンネルの作り方には大きく3種類の方法があります。
通常工法
通常工法とは裸掘式とも呼び、通常の山岳トンネルと同様に水底下を掘削していく工法です。この工法では海底のさらに下の地盤にトンネルを掘っていくため、入り口から出口に至るまで海を通ることがなく海中作業をする必要がありません。

東京湾アクアラインや青函トンネルの工事ではこの通常工法が用いられました。
シールド工法
シールド工法とは鋼鉄の筒の中に地盤を掘削する機械を納め、周囲の土砂の崩壊を防ぎながら前面の土を回転するカッターで少しづづ削り取っては、その分だけ油圧ジャッキによって前進し、後方の空いたスペースにセグメントと呼ばれるコンクリートや鋼鉄製のブロックを組み立てトンネルを築造していく工法です。
沈埋工法
沈埋工法とは陸上で箱型のトンネルユニット(沈埋函)を造り、そのまま事前に掘削しておいた海底の溝に埋め、海中で複数のユニットをつないでトンネルにする工法です。

大陸間を結ぶ海底トンネルとして世界初のトルコの大陸間海底トンネルではこの沈埋工法が用いられました。
まとめ
今回は海底トンネルについてお伝えしてきました。
トンネルは場所や用途、地質などによって造り方が変わります。地表面から掘り下げていく工法や、機械で掘る工法、事前に陸上でトンネルユニットを造り海中でつなぎ合わせる工法などがあります。

海底トンネルは海を挟んで向かい合う陸同士をつないでくれます、もしかしたら数十年後、数百年後にはさらなる技術の進歩により世界は海の底でどんどんつながっていく時代が来るかもしれませんね。
本日はここまで!以上、れいこでした!