建築基準法とはいったい何?家を建てるときに知っておきたい基礎知識!
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こんにちは!POPCONEインタビュアーのまいです!
新築のアパートやマンションを建築するにあたり、必ず関わってくるのが「建築基準法」です。建てられる建物の種類や大きさなどが決められているため、建築に関わるなら最低限の建築基準法を理解しておくことが大切です。

今回は建築基準法についての基礎知識や知っておくべきポイントをご紹介します!
目次
建築基準法とは?
建築基準法とは、建物を建てる際や利用する際に守らなければならない最低限のルールを定めた法律です。建築基準法の対象になるのは下記の内容です。
- 建築物
- 建築物の敷地
- 設備
- 構造
- 用途
その土地にどのような用途や規模の建物が建てられるのか、建てられる家の床面積や建築面積の上限はどのくらいになるのかといった、多岐にわたるルールが定められています。

建築基準法は、単体規定と集団規定から成り立っています!
単体規定
私たちが利用する個々の建築物そのものの基準を定めている規定を「単体規定」と言います。単体規定では建築物そのものの安全性や耐久性、耐震性といった性能に関わった基準が定められています。建築物そのものが対象であり、日本全国どこでも同じように適用される規定です。

単体規定は屋根や外壁、居室の換気や採光、トイレなどが該当します。
集団規定
建物そのものではなく、建築物が集まって形成される市街地の環境整備などを目的とする規定を「集団規定」と言います。集団規定は「良好な市街地環境を確保するための規定」とされています。単体規定と異なり、原則として都市計画区域内や準都市計画区域内で適用されるものです。

敷地と道路に関する基準や高さ制限、防火地域などが集団規定に当てはまります。
建築基準法はどのように関わってくる?
自分が所有している土地だからといって、どんな建物を建ててもいい訳ではありません。建築基準法によってさまざまな制約があります。

どんなルールがあるのか、ポイントに分けてご紹介します!
用途地域
ひとつの地域に住宅や工場・倉庫・ホテルなど用途が違う建物が混在するのを防ぎ、調和のとれた環境になるよう市街地区域では用途地域が定められています。大きく分けると、住居系・商業系・工業系の3つに分類されます。
これをさらに13種類(無指定地域を含めると14種類)に分けて、それぞれに建てられる建物の用途が決められています。

建物を建てる地域によって、建物の用途は重要になるんですね!
敷地の接道義務
家などの建築物を建てる場合は敷地が2m以上道路に接している必要があり、これを接道義務と言います。自動車専用道路などは接道対象の道路に該当しない、敷地の周辺に公園や広場がある場合は接道要件を満たしていなくても認められる場合があるなど、さまざまな規定があります。

土地を買って家を建てる場合、接道義務を満たしていて家が建てられるのかを不動産仲介会社に確認しておくようにしましょう。
家の規模に影響する条件
同じ広さの土地でも、建てられる建物の大きさは容積率、建蔽率によって違います。また敷地の条件によっては高さが制限されることもあります。

それぞれのポイントをご紹介します!
容積率
容積率とは、敷地面積に対する建築物の延べ床面積の割合です。例えば容積率80%の敷地で敷地面積が100平方メートルなら、建てられる住宅の床面積は各階を合計して80平方メートルが上限ということになります。
容積率は用途地域ごとに制限があったり、敷地に面した道路の幅などによっても上限が変わってきます。

エレベーター昇降機の床面積は容積率を出す際の床面積に含まないなど、容積率が緩和される場合もあります。
建蔽率
建蔽率とは、敷地面積に対する建築物の建築面積の割合を指します。用途地域や建築物の構造によって違ってきますので、角地にある敷地で特定行政庁が指定するものや、防火地域内にある耐火建築物は建蔽率が10%増えるなどの緩和があります。

敷地にゆとりを持ちたい住居系では60%前後と低く、商業系では80%前後と高く設定されています。
高さ制限
建築物の高さにも制限があり、高さの上限を規定するのは絶対高さ制限、道路・隣地・北側傾斜制限、日陰制限などがあります。
適用範囲は用途地域によって決まり、例えば絶対高さ制限の場合、第1・2低層住居専用地域または田園住居地域内では建築物の高さは10mまたは12mが上限となります。

建築物に問題がなくても、その後の法改正で容積率や建蔽率がオーバーしている建物を「不適格建築物」と呼びます。
家屋内の決まり
居間や寝室、書斎などの住宅の居室にも建築基準法の定義があります。例えば、居室の天井は平均の高さで2.1m以上必要、採光や換気のために各個室へ窓を設けなければならないなどの制約があります。

居室の床面積などによっても変わってきますが、踊り場の位置や足を置く踏み面の奥行き、蹴上げの高さにも細かなルールがあります。
建築基準法で規定される災害対策
建築基準法では、地震や火事などの災害が発生した場合に被害が拡大しないように建物を守るためのルールが規定されています。アパートやマンションを含め、あらゆる建物を建築する際は建築基準法で定められた安全のルールを遵守しなければなりません。

防火と耐震の面での規定をご紹介します!
防火地域や準防火地域
建物が密集する市街地で火災が発生したとき、出来るだけ延焼しないように都市計画法で定められているのが防火地域と準防火地域です。これらの地域に建物を建てる場合、建築基準法によって建物の構造や材料など必要な防火性能が定められています。

災害が起きた場合のことも考えて、建築基準法はつくられているのですね。
耐震基準
地震の多い日本では、建物の強度が人命を左右します。地震が起きても簡単に倒壊しないよう、建築基準法では地震に対する建物の強度基準を定めており、これを「耐震基準」と言います。耐震基準は大地震の発生を契機に見直しがあり、改正を重ねています。

大きな改正となったのが1978年の宮城県沖地震をきっかけとした1981年の改正で、それ以前の基準を「旧地震」以降の基準を「新地震」と呼んでいます。
まとめ
私たちが当たり前のように生活している建築物も、すべて建築基準法が関わっています。さまざまな面での制約によって安全で快適に過ごせる環境が実現されているということが分かりますね。土地を所有しているからと言って好きに建物を建てていい訳ではないので、正しい知識を持ち最低限のルールを守ることが大切です。

法律が改正されることもありますので、その都度最新の情報を把握しておくようにしましょう!
以上、まいでした。次回もお楽しみに!