「空調」って何?意外と知らない空調設備の種類をご紹介!
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こんにちは!POPCONEインタビュアーのあすかです!
「空調」は私たちに馴染みのある言葉ですが、実際にどのようなことかピンとくる方は少ないのではないでしょうか。空調にはさまざまな種類があり、きちんと理解しておくことで居心地の良い空間をつくることができます。

今回は意外と知らない空調の種類や特徴をご紹介します!
目次
空調とは?
空調とは空気調和の略語で、空間の環境を保つことに使われる言葉です。居心地の良い環境を実現するには温度・湿度・気流・清浄度を配慮する必要があります。

空調と冷暖房設備は、同じようで違う意味を持っています!
冷暖房設備との違い
冷暖房設備と空調は同じ意味で使われることが多いですが、それぞれ違う特徴があります。冷暖房設備は暑いときには冷房、寒いときには暖房での温度調節ができる設備です。空調設備は温度調節だけでなく、湿度と気流を含めての調和をはかることで幅広い用途に対応できます。

冷暖房設備に湿度や気流の面でアレンジを加えたものが空調設備と言えます!
快適な空調の目安
快適な空調は人それぞれの好みにもよりますが、一般的に夏は温度28度で湿度は50〜70%、冬は温度18度で湿度40〜60%が省エネを実行する目安と言われています。

快適な空調を実現するには省エネへの配慮も必要ですね。
空気調和の種類
空気調和の種類は対象目的によって下記の2種類に分けられます。
- 保険空気調和
- 産業空気調和

ここからはそれぞれの特徴をご紹介します!
保険空気調和
保険空気調和は対象の空間の中で過ごす人の健康を維持したり、快適性を向上させることを目的とした空調です。一般家庭や事務所、商業施設やホテルなどの公共施設が対象になります。ヒートショックを避けるためにも室内の温度コントロールを行い、室内外の温度差をできるだけ小さくすることが大切です。

一般空気調和や快適空気調和とも言います!
ヒートショックとは?
ヒートショックとは冷暖房時に室内外の温度差が大きいと人体に負担がかかってしまうことを言います。これを防ぐために、外気温と室温の差は7〜10度以下にする必要があります。

冷房時のコールドショックと暖房時のホットショックに分類されます。
産業空気調和
産業空気調和とは、人間以外の動植物の育成や物品の品質維持や生産効率の向上のための空調です。最適な温度や湿度の条件は業種や対象になるものによって異なりますが、物品の状態を一定にするために季節に関係なく同じ温湿度状態を保ちます。

工場の空調などが産業空気調和の対象となります!
空調設備の種類
空調には空気を調和させるという意味があります。室内の温度や湿度、気流などの空気環境を最適な状態に保つことを目的として、さまざまな役割を持った複数の機器によって構成されています。冷暖房の熱を操作する「熱源装置」や作った熱を運ぶ「搬送装置」、空気の浄化や加湿を行う「空調機」があります。

これらの装置を組み合わせることで、空気調和システムが成り立っています。
熱による分類
空気を冷やしたり温めたりするために熱を運ぶ媒体として何を利用するかによっても空調システムは分けられます。水や空気、冷媒の組み合わせによって主に4つの方式に分類されます。

それぞれの方式の特徴をご紹介します!
全空気方式
全空気方式とは空気を熱で運ぶ方式です。空調機により外気と室内からの空気を混合させてその空気を加熱または冷却してダクトで室内に送風します。換気量を大きくすることができるというメリットがありますが、大きなダクトスペースが必要というデメリットもあります。

劇場や体育館などの広い空間に適しています!
空気・水併用方式
空気・水併用方式とは、水と空気の両方を併用して熱を運ぶ方式です。水は空気に比べて少ない面積で多くの熱を運べるため、全空気方式と比べると熱を送るためのスペースを小さくすることが可能です。しかし室内に水が通った管を設置するため、水損事故のリスクもあります。

空気の清浄度を保つために必要な外気の取り入れ方は、全空気方式と同じです!
全水方式
全水方式とは、冷水または温水といった水だけを利用して熱を運ぶ方式です。空気を使用しないので大きなダクトスペースが必要ないといったメリットがありますが、空気の清浄度を保つための外気の取り入れに窓や全熱交換器の設置が必要となります。

空気・水併用方式と同じように、水損事故のリスクもあります!
冷媒方式
冷媒方式は他の方式と比べると高機能・低価格化が進んでいるので、省エネの面でも優れています。全水方式と同じように外気取り入れのための設備が必要です。

私たちの生活で馴染みのあるエアコンが冷媒方式の代表設備です!
送風方式による分類
空調システムは先ほどご紹介した熱による分類だけでなく、送風方式によっても分類されます。

代表的な2種類の特徴をご紹介します!
単一ダクト定風量方式
一本のダクト(空気を送る管)を通して、建物全体を全て同じように調整することを単一ダクト定風量方式と言います。この方式では集約された空調機で行われるため簡単に送風することができますが、人が多かったり日差しが差し込んだりする部屋では冷房が効きにくく、人が少なかったり日差しが入らない部屋では効きすぎてしまうというデメリットもあります。

温度調節は送風温度を変えて行います!
単一ダクト変風量方式
一本のダクトにより送風されることは定風量方式と同じですが、送風量を変えることであらかじめ設定された部屋ごとで室温の調整が行える方式を単一ダクト変風量方式と言います。室温を調整できるだけでなく、負荷が少ないときには空調機のファン動力が軽減されて省エネとなります。

風量が絞られたときの温度のムラや風切音、外気の取り入れ量の不足といった部分には注意が必要です!
まとめ
普段何気なく耳にしている「空調」という言葉ですが、さまざまな種類がありそれぞれの方式によって特徴も変わります。生活していく上で当たり前のように使っているものだからこそ、快適さや省エネの点でも正しい知識を持っておくことは大切です。快適な環境を実現することができるように、コストや環境面にも配慮するようにしましょう。

ライフスタイルを考えて、自分に合った空調設備を選ぶようにしましょう!
以上、あすかでした。次回もお楽しみに!