研磨剤とはどのようなもの?種類やそれぞれの特徴をご紹介!
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こんにちは!POPCONEインタビュアーのとまこです!
金属の加工や木工、石工では欠かせない研磨の工程では表面を滑らかにするために対象のものに適した研磨剤を用いなくてはなりません。研磨剤にはさまざまな種類があり、それぞれ違う特徴があります。私たちの生活で身近なものだと、歯磨き粉にも研磨剤が含まれているものがあります。

今回は代表的な研磨剤の種類や違いについてご紹介します!
目次
研磨剤とは?
研磨剤とは、研磨する対象のものを磨くのに使う硬い粒や粉のことです。研磨シートや砥石といった一般家庭にもあるようなものも含みます。手に持って使う手研磨用のものと機械に装着するタイプの機械研磨用のものがあり、使われる研磨剤もダイヤモンドやジルコニアなどさまざまなタイプがあります。研磨剤は使われる砥材のほか、結合度や粒度によっても種類が分かれます。

これらを無視してしまうと、傷つけてしまったり研磨剤の摩耗が早まったりしてしまう恐れがありますので対象物に最適な研磨剤を選ぶことが大切です。
砥材の種類
研磨に使用される砥材にはいくつか種類がありますが、代表的なものを下記にまとめました。
- ダイヤモンド
- ジルコニア
- 立方晶窒化ホウ素
- 炭化ケイ素

代表的なこちらの4種類についてご紹介します!
ダイヤモンド
最も硬い物質であることでも知られているダイヤモンドは宝石としても有名ですが、研磨剤としての利便性も高いです。しかし鉄や鋼に対しては研磨すると急激に摩耗されることから利用されることはありません。

価格が高額ということもあり、使用される場面は限定的です。
ジルコニア
ジルコニアは非常に鋭く強い刃先を持ち、ステンレスや高炭素鋼などの重研削用として使用されています。食いつきがよくアグレッシブに仕上がります。

酸化ジルコニウムと呼ばれることもあります!
立方晶窒化ホウ素
立方晶窒化ホウ素は、窒素とホウ素からなる物質でダイヤモンドに次ぐ硬さを持ちます。さらにダイヤモンドよりも熱に強く、鉄や鋼を高速切断したり研磨したりする場合には有効な砥材です。

立方晶窒化ホウ素も非常に高価なので、研磨剤として大量に使用するには向いていません。
炭化ケイ素
炭化ケイ素は炭素とケイ素でつくられる物質で、炭素が含まれるように非常に硬いのが特徴です。炭化ケイ素には黒色炭化ケイ素と緑色炭化ケイ素に分類され、前者はアルミや鋼といった非鉄金属、後者は石材やガラスなどの非金属に利用されるのが一般的です。

先ほどご紹介したダイヤモンドと立方晶窒化ホウ素と比べると、コストに優れますが硬さは劣ります。
製品としての種類
砥材の種類についてご紹介しましたが、それらを利用した製品にはどのようなものがあるのでしょうか。

それぞれの製品の特徴と用途についてご紹介します!
研磨シート
研磨シートとは金属塗装面のサビ取りや木工生地の研磨などに使われるシート状の研磨材です。
需要の高い研磨シートは耐水ペーパーや工業用の研磨パッドです。耐水ペーパーは木工・金属などの下地から研磨やプラスチックの研磨に使用でき、軽い力で研ぐことができます。工業用の研磨パッドはサビ落としやすり傷ぼかしなどのあらゆる用途に使用される万能型の研磨材です。

ヘアラインや塗料コート、さらにラミネート前の粗面化などにも使用されています。
バルブコンパウンド
バルブコンパウンドとは、油で練った研磨剤で固めていない砥材のようなものです。表面研磨、擦り合わせ研磨として使用します。

ペーパーなどで研磨できない場所も磨くことが可能です!
ダイヤモンドペースト
ダイヤモンドペーストとは、プラスチック金型などの最終仕上げに使用する研磨材です。ダイヤモンド砥粒が特殊製法により均一に分散しているので安定した研磨力が得られます。

フェルトバフなどを利用するようにしましょう!
液状金属みがき剤
液状金属みがき剤は金属の表面を磨いて光沢を出すために使用します。細かなアルミナ系研磨剤入りのため、傷がつきにくく光沢を出すことができます。銅・鉄・ステンレス・アルミ・スズなどの金属全般に使用できます。

プラスチックにも使用できる万能な研磨剤です!
歯磨き粉の成分としての研磨剤
私たちの生活に馴染みのある研磨剤といえば歯磨き粉ですよね。

歯磨き粉の研磨剤のメリットとデメリットについてご紹介します!
歯磨き粉の研磨剤の役割
研磨剤はステイン(着色汚れ)を落としやすいと言われますが、研磨剤そのものに虫歯を予防する力はありません。研磨剤の効果は強力で歯が削れやすいので、研磨剤なしの歯磨き粉をオススメする歯医者さんも増えています。たとえ研磨剤が入っていない歯磨き粉でもすっきりとした磨き心地は得られますが、ステインが取りにくくなるのは否めません。

たまにステイン入りの歯磨きを使用したり、定期的なクリーニングで歯の黄ばみを落としたりして清潔さを保つのも良いですね!
メリット
先ほどご紹介したように、歯磨き粉の研磨剤はステインを落とす面ではかなりの効果がありますが、使用する量に注意が必要になります。週末だけステイン対策をするなど、使用する頻度を調節して使うことをオススメします。
ホワイトニング効果もありますので、市販でホワイトニングと謳う歯磨き粉にはほとんどの製品に研磨剤が含まれています。

使用頻度をきちんと使い分けることでメリットが得られると言えますね!
デメリット
デメリットは、高い研磨効果によりエナメル質が傷ついてしまうという点です。エナメル質の下は神経につながる穴を無数にもつ象牙質がありますので、神経に刺激が伝わりやすくなり知覚過敏になる可能性もあります。
また、エナメル質の表面にできてしまった細かい傷には、汚れが詰まりさらに汚れて見えるという悪循環になってしまいます。

歯を白くしようと思って使った研磨剤が思わぬデメリットになる場合もありますので気をつけましょう。
まとめ
研磨剤と一口に言ってもその種類や硬さが異なり、使用する用途も違います。対象とするものと合っていない研磨剤の使用は消耗が激しいだけでなく、対象物を破損させる原因にもなってしまうので注意が必要です。研磨剤を使った製品もさまざまなタイプがありますので、スプレー状やペースト状など用途によって使い分けることが大切ですね。

きちんとした知識を持ち、用途に適した研磨剤を選ぶようにしましょう。
以上、とまこでした。次回もお楽しみに!