管工事のエキスパート!管工事施工技士の資格【建設業で役立つ資格】
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こんにちは!POPCONEのとまこです。
本日の記事は建設に役立つ資格編!ということで、管工事施工管理技士についてご紹介いたします。
目次
管工事施工管理技士のお仕事とは?

管工事施工管理技士と聞いても、パッと想像がつかないかもしれませんが、「配管工」と聞けばなんとなくイメージできるのではないでしょうか?
管工事施工管理技士は配管工のお仕事と同じで、主に建築物における給水管・排水管・ガス管や、空調設備・衛生設備などの配管を作成します。
大規模な管工事を受注した場合、企業では施工管理や工程管理・安全管理を適切に進めるために、専門知識と実務経験を持つ管工事施工技士が必要です。配管の材料は製造されたものを使いますが、直線の管だけでなく、中継する部分があったりさまざまな角度で曲げることもあり、中を流れる水やガスが漏れないように施工をしなければならないため、水平・垂直を調整したりと細かいところまでチェックが必要な仕事です。
配管工の仕事で使える管工事施工管理の資格とは?
管工事施工管理技士は、施工管理技士国家資格のひとつです。この資格では、下記のような工事で施工計画を作成し、工程や品質、安全面の管理を行うことが出来るようになります。
- 冷暖房設備工事
- 空調設備工事
- 給排水・給湯設備工事
- ダクト工事
- 浄化槽工事
- ガス配管工事
- 衛生設備工事

これらの工事は建設業でも請け負うことの多い管工事になります!
管工事施工管理技士の種類と受験資格は?
資格は1級と2級があります。2級では一般建設業の営業所の専任技術者や、工事現場における主任技術者として働くことができます。1級はそれらに加えて、大規模な建設工事で必要とされる監理技術者になることもできます。

受験資格には学歴のほかに実務経験が必要とされています
1級管工事施工管理技士の受験資格
- 大学・専門学校(高度専門士)の指定学科卒業後、実務経験3年以上
- 大学・専門学校(高度専門士)の指定学科以外卒業後、実務経験4年6ヵ月以上
- 短期大学・高等専門学校・専門学校(専門士)の指定学科卒業後、実務経験5年以上
- 短期大学・高等専門学校・専門学校(専門士)の指定学科以外卒業後、実務経験7年6ヵ月以上
- 高等学校・中等教育学校・専門学校(高等専門士と専門士を除く)の指定学科卒業後、実務経験10年以上
- 高等学校・中等教育学校・専門学校(高等専門士と専門士を除く)の指定学科以外卒業後、実務経験11年6ヵ月以上
- 上記以外の学歴で実務経験15年以上

1級を受験する場合は実務経験のうち1年以上の指導監督的実務経験年数が含まれていることが必要になります
2級管工事施工管理技士の受験資格
- 大学・専門学校(高度専門士)の指定学科卒業後、実務経験1年以上
- 大学・専門学校(高度専門士)の指定学科以外卒業後、実務経験1年6ヵ月以上
- 短期大学・高等専門学校・専門学校(専門士)の指定学科卒業後、実務経験2年以上
- 短期大学・高等専門学校・専門学校(専門士)の指定学科以外卒業後、実務経験3年以上
- 高等学校・中等教育学校・専門学校(高等専門士と専門士を除く)の指定学科卒業後、実務経験3年以上
- 高等学校・中等教育学校・専門学校(高等専門士と専門士を除く)の指定学科以外卒業後、実務経験4年6ヵ月以上
- 上記以外の学歴で実務経験8年以上
管工事施工管理技士試験の難易度と合格率は?
1級、2級どちらの試験も学科試験と実地試験が行われ、近年の合格率はこのようになっています。
学科試験 | 実地試験 | |
---|---|---|
1級 | 49% | 60% |
2級 | 65% | 45% |

簡単に取得できる資格ではありませんが、国家資格のなかでは難易度は易しめと言えます。事前にしっかり対策すれば、比較的狙いやすい資格です
管工事施工管理技士試験対策はここが肝心!
試験対策のポイントは下記の通りです。
- 学科・実地試験ともに過去問対策を!
- 実地試験は記述式。要点をまとめるクセをつけよう!
- 解答にはスピード力も必要、時間配分を意識して!
管工事施工管理技士の試験は学科試験と実地試験からなり、それぞれ6割以上の得点が合格ラインです。どちらも過去に出題された問題が繰り返し出題される傾向があるため、過去問の内容をしっかりと理解することが合格への第一歩になります。
管工事施工管理技士の学科試験
学科試験は2級で総出題数が52問、1級で全73問出題されます。全問解答するのでは無く、2級は40問を、1級は60問を選んで解答し、その正解率が6割以上が合格ラインとなります。抑えておきたいポイントは、より得点しやすい問題を素早く判断するスピード力。1問当たりの解答時間は4~5分となりますので時間配分が重要だと言えるでしょう。

それではここで試験の過去問題を見てみましょう!
過去問例題
【質問】三相誘導電動機に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
①電動機を定格電圧で始動させたときの始動電流は、全負荷時の定格電流と同じである。
②電源電圧を降下させると、電動機の始動トルクは減少する。
③3本の結線のうち2本を入れ替えると、電動機の回転方向が変わる。
④電動機の過負荷保護として、保護継電器と電磁接触器を用いた。
管工事施工管理技士の実地試験
実地試験は全て記述式です。さまざまな事例に沿った問題となっており、多様なパターンの出題形式に基づいた学習が重要です。ご自身が経験した管工事の内容を問う出題もありますので、これまでの実務経験の要点を簡潔にまとめる対策も必要です。
管工事施工管理技士の現状と将来性

実際に資格取得を考えたところで将来性や年収なども気になるところですよね。主な就職先や職場などもご紹介したいと思います。
管工事施工管理技士の年収について
管工事施工管理技士の平均年収はこのようになります。
1級管工事施工管理技士 | 500万円~600万円以上 |
---|---|
2級管工事施工管理技士 | 400万円~500万円以上 |
1級管工事施工管理士に関しては、実務経験によって年収800万円以上となることも多いです。特に大企業で勤務する場合は、高収入が期待できます。
管工事施工管理技士の主な就職先や職場
次に管工事施工管理技士の主な就職先はこのようになっております。
- 建設会社
- ビル管理会社
- 配管工事会社
- ゼネコン
- プラント会社
管工事施工管理技士は、近年災害が相次いだことも重なって、建設業界を中心に多くの就職先や職場で需要が高くなっています。また、水周りに故障やメンテナンスはつきものですし、ユニットバス・システムキッチン・トイレ・洗面化粧台や、ガス給湯機などの入替えもできることから、リフォーム業界での活躍の場が広がっています。
管工事施工管理技士の将来性について
管工事施工管理技士は将来性がある資格です。建築物を作るにあたって管工事が無くなることはありません。また、管工事を安全に行うためにも現場管理を行うことは必要不可欠なので、管工事施工管理技士の将来性は明るいでしょう。特に、大規模な管工事となると難易度が上がるため、専任で職務に当たることも多いです。将来性を考えても、管工事施工管理技士の資格取得は価値があると言えます。
また難易度の高い工事の経験を活かし、元請業者となるという独立の道を進む方も増えつつあります。建設業の工事は期間が大規模なものだと2〜3年かかるものも多く、その分工事に関わる人との付き合いや関係性も深まっていきますので、そこで培った経験と人脈を活かして新たに自分たちで仕事を求めていくこともできます。

いずれ独立を考えている方はまず資格取得から頑張ってみることをオススメします。
まとめ
今回の記事では深い専門知識と豊富な実務経験を持ち、大規模な管工事から家庭のトラブル解決まで幅広く活躍出来る、管工事のエキスパートの管工事施工技士について調べて見ました。
資格を取得しておくことで、勤めている企業においても資格給などといった形で年収の増加を見込め、また独立を考える方にとっても有利になるでしょう。自分自身のスキルアップや年収アップを目指して挑戦してみる価値のある資格ですので、取得を検討されている方はぜひ挑戦してみてください。

POPCONEでは資格関連の記事はもちろん、企業インタビューや事実ニュースなどもご紹介しております。引き続きチェックしてみてくださいね!
以上、とまこでした。
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