配管工になったら最初に取っておきたい資格「配管技能士」
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こんにちは、POPCONE GIRLSのとまこです!
水道管や排水管、ガス管、空気清浄装置や冷暖房の換気設備など、建物にはさまざまな管が張り巡らされており人々が生活する上で不可欠なインフラを建物内の人々に提供する重要なシステムを構築しています。これらのパイプを設置することを配管と呼び、その専門の技術者を配管工と言います。

今回は配管の技能を認定する国家資格「配管技能士」について詳しくご紹介します!
目次
配管技能士とは?
配管技能士とは、各都道府県の職業開発能力協会が実施する技能検定制度の一種で給水管・排水管・ガス管、空気清浄装置や冷暖房の換気設備など建築物の配管工事の技能を認定する国家資格です。資格区分は建築配管作業・プラント配管作業に分かれ、それぞれに1級~3級までの級位が用意されています。
配管技能士になるには?
配管技能士になるには、各都道府県の職業開発能力協が実施する学科及び実技試験に合格する必要があります。

配管技能検定には、1級・2級・3級があります。それでは、各級について詳しくみていきましょう!
配管技能検定の受験資格
3級の受験資格
3級資格は試験を受けるにあたって特に受験資格などは無く、誰でも受験することができます。
2級の受験資格
2級資格の試験を受けるためには、2年以上の実務経験または3級合格者。
1級の受験資格
1級資格の試験を受けるためには、学歴に応じた数年間の実務経験を積むことが必須条件となります。
学歴等 | 通常 | 2級合格後 | 3級合格後 |
---|---|---|---|
実務経験のみ | 7年 | 2年 | 4年 |
専門高校卒業 | 6年 | 2年 | 4年 |
専修学校(大学入学資格付与課程)卒業 | 6年 | 2年 | 4年 |
短期大学卒業 | 5年 | 2年 | 4年 |
高等専門学校卒業 | 5年 | 2年 | 4年 |
高校専攻科卒業 | 5年 | 2年 | 4年 |
専修学校(大学編入資格付与課程)卒業 | 5年 | 2年 | 4年 |
大学卒業 | 4年 | 2年 | 4年 |
専修学校(大学院入学資格付与課程)卒業 | 4年 | 2年 | 4年 |
専修学校または各種学校卒業 (800時間以上) |
6年 | 2年 | 4年 |
専修学校または各種学校卒業 (1600時間以上) |
5年 | 2年 | 4年 |
専修学校または各種学校卒業 (3200時間以上) |
4年 | 2年 | 4年 |
短期課程の普通職業訓練終了 (700時間以上) |
6年 | 2年 | 4年 |
普通課程の普通職業訓練終了 (2800時間未満) |
5年 | 2年 | 4年 |
普通課程の普通職業訓練終了 (2800時間以上) |
4年 | 2年 | 4年 |
専門課程または特定専門課程の高度職業訓練修了 | 3年 | 1年 | 2年 |
応用課程または特定応用課程の高度職業訓練修了 | 1年 | 1年 | 1年 |
長期課程または短期養成課程の指導員訓練修了 | 1年 | 1年 | 1年 |
職業訓練指導員免許取得 | 1年 | 1年 | 1年 |
長期養成課程の指導員訓練修了 | 0年 | 0年 | 0年 |
配管技能検定の試験内容
3級配管技能検定(学科試験)
試験科目 | 範囲 |
---|---|
1.施工法一般 | 配管工事に使用する器工具及び機械の種類、用途及び使用方法 管の加工 管施設の機能試験 管の被覆及び塗装 溶接作業 |
2.材料 | 配管用材料の種類、規格、性質及び用途 |
3.製図 | 図示法及び材料記号 |
4.安全衛生 | 安全衛生に関する詳細な知識 |
5-1.建築配管施工法 | 施工方法 配管に生ずる欠陥の種類及び原因並びにその防止方法及び補修方法 関連設備に使用する装置、機械及び器具の種類及び用途 日本工業規格の建築製図通則に定める表示記号 |
5-2.プラント配管施工法 | 施工方法及び管の加工 プラント配管用材料の種類、規格、性質及び用途 溶接部の非破壊検査の方法 配管に生ずる欠陥の種類及び原因並びに防止方法及び補修方法 関連設備及び関連設備の種類、構造及び機能 プラントを構成する設備及び装置の種類及び特徴 |
5-1または5-2のうちいずれか1科目を選択
3級配管技能検定(実技試験)
試験科目 | 範囲 |
---|---|
1.建築配管作業 | 管の加工 配管及び機器類の取付け |
2.プラント配管作業 | 管の加工 配管及び配管用付属品の取付け |
1または2のうちいずれか1科目を選択
2級配管技能検定(学科試験)
試験科目 | 範囲 |
---|---|
1.施工法一般 | 配管工事に使用する器工具及び機械の種類、用途及び使用方法 管の加工 管施設の機能試験 管の被覆及び塗装 溶接作業 流体の基礎理論 |
2.材料 | 配管用材料の種類、規格、性質及び用途 関連工事用材料の種類、性質及び用途 |
3.製図 | 図示法及び材料記号 |
4.関係法規 | 消防法関係法令、建築基準法関係法令、高圧ガス保安法関係法令、 ガス事業法関係法令、水道法関係法令、下水道法関係法令、 電気事業法関係法令、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に 関する法律関係法令、廃棄物の処理及び清掃に関する法律関係法令及び 特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する関係法令 のうち、配管工事に関する部分 |
5.安全衛生 | 安全衛生に関する詳細な知識 |
6-1.建築配管施工法 | 施工方法 配管に生ずる欠陥の種類及び原因並びにその防止方法及び補修方法 関連設備に使用する装置、機械及び器具の種類及び用途 建築構造の種類及び特徴 建築部分の主要部分の種類及び構造 日本工業規格の建築製図通則に定める表示記号 |
6-2.プラント配管施工法 | 施工方法及び管の加工 プラント配管用材料の種類、規格、性質及び用途 金属材料の熱処理 溶接部の非破壊検査の方法 配管に生ずる欠陥の種類及び原因並びに防止方法及び補修方法 関連設備及び関連設備の種類、構造及び機能 プラントを構成する設備及び装置の種類及び特徴 |
6-1または6-2のうちいずれか1科目を選択
2級配管技能検定(実技試験)
試験科目範囲
試験科目 | 範囲 |
---|---|
1.建築配管作業 | 型取り 材料取り 管の加工 配管及び機器類の取付け |
2.プラント配管作業 | 型取り 材料取り 管の加工 配管及び配管用付属品の取付け |
1または2のうちいずれか1科目を選択
1級配管技能検定(学科試験)
試験科目 | 範囲 |
---|---|
1.施工法一般 | 配管工事に使用する器工具及び機械の種類、用途及び使用方法 管の加工 管施設の機能試験 管の被覆及び塗装 溶接作業 流体の基礎理論 |
2.材料 | 配管用材料の種類、規格、性質及び用途 関連工事用材料の種類、性質及び用途 |
3.製図 | 図示法及び材料記号 |
4.関係法規 | 消防法関係法令、建築基準法関係法令、高圧ガス保安法関係法令、 ガス事業法関係法令、水道法関係法令、下水道法関係法令、 電気事業法関係法令、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に 関する法律関係法令、廃棄物の処理及び清掃に関する法律関係法令及び 特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する関係法令 のうち、配管工事に関する部分 |
5.安全衛生 | 安全衛生に関する詳細な知識 |
6-1.建築配管施工法 | 施工方法 施工計画 配管に生ずる欠陥の種類及び原因並びにその防止方法及び補修方法 関連設備に使用する装置、機械及び器具の種類及び用途 建築構造の種類及び特徴 建築部分の主要部分の種類及び構造 日本工業規格の建築製図通則に定める表示記号 |
6-2.プラント配管施工法 | 施工方法及び管の加工 プラント配管用材料の種類、規格、性質及び用途 金属材料の熱処理 溶接部の非破壊検査の方法 施工計画 配管に生ずる欠陥の種類及び原因並びに防止方法及び補修方法 関連設備及び関連設備の種類、構造及び機能 プラントを構成する設備及び装置の種類及び特徴 |
6-1または6-2のうちいずれか1科目を選択
1級配管技能検定(実技試験)
試験科目範囲
試験科目 | 範囲 |
---|---|
1.建築配管作業 | 配管施工図の作成 型取り 材料取り 管の加工 配管及び機器類の取付け 管施設の調整 工数見積もり |
2.プラント配管作業 | 配管施工図の作成 型取り 材料取り 管の加工 配管及び配管用付属品の取付け 管施設の試験 工数見積もり |
1または2のうちいずれか1科目を選択

合格基準は原則として実技試験は60点以上/100点、学科試験は65点以上/100点となっています。また、実技か学科のどちらか片方のみに合格した場合、次回以降は不合格となった試験のみを受験し合格することで技能士となることができます。
資格の難易度
年度 | 応募者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2019年 | 5,330人 | 3,040人 | 57% |
2018年 | 4,790人 | 2,536人 | 52.9% |
2017年 | 4,360人 | 2,307人 | 52.9% |
配管技能検定は1級~3級、実技・学科など試験区分ごとの合格率は公表されていませんが、受験者全体の合格率は50%前後と発表されておりそこまで難しくはありません。実技試験は事前に出題内容が公開されますし、筆記試験も過去問題集が出版されていますのでしっかりと対策してから臨めば十分に合格できるレベルといえるでしょう。
まとめ
今回は配管技能士についてお話ししてきました。配管工として働くにあたり配管技能士資格は必須ではありませんが、資格を取得することで一定水準以上の技能を保有していることの公的証明になるので待遇改善やキャリアアップに役立てることが出来ます。
また、配管工事は地道にコツコツと仕事が出来る人に向いています。通常、配管は天井や壁の中に隠れてしまうものですので手抜きがしやすいという悪い側面もあり、妥協を許さない使命感や責任感の強さが求められる仕事でもあります。配管工になったらまず最初は配管工で一番基本的な資格である配管技能士の取得を目指してみてはいかがでしょうか。
本日はここまで!以上、とまこでした!