ニーズが高まる土木施工管理技士!取得の条件や難易度は?【建設業で役立つ資格】
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こんにちは、POPCONEのとまこです。
建築業界のお仕事と言えば土木工事のイメージがあるという方も多いと思います。土木工事とは、宅地の造成や道路工事、河川の整備、ダムの建設、トンネル掘削といった工事のことを指し、そこで勤務する方を土木作業員と呼びます。土木作業員は職人のように特定の作業や特定の工事を専門にするわけではなく、土木工事の現場全般で職人と協力してさまざまな作業を担当します。
そんな土木工事をする上で役に立つのが、土木施工管理技士の資格です。

今日は土木施工管理技士について、概要や合格率、資格を活かせる仕事などを調べてみましたので、ご紹介いたします!
目次
土木施工管理技士について
土木施工管理技士とは?資格が必要な理由は?
土木作業員としての経験を積んでいくと、ゆくゆくは管理者、つまり現場監督の立場になっていきます。現場監督はある程度の大きさの現場になってくると有資格者でないと勤まらなくなってくるというのが現状です。
土木施工管理技士の資格は、土木工事の施工計画を作成し、現場での工程管理や品質管理・安全管理などの面で指導監督的立場に立って、土木工事の質的な向上を支える重要な技術資格です。安全面や予算的なことも含め、現場管理において必要な土木工事に関する広く深い知識と判断力を持っている証になります。
特に災害復旧の現場には必要不可欠
土木施工管理技士は災害復旧の現場には不可欠です。東日本大震災では、多くの地域で道路や線路、河川の堤防などが被害を受けました。それらの復旧工事には工事現場一か所につき最低一人は土木施工管理技士が必要とされ、重要な役割を果たします。

日本は地震大国と言われているように、地震による被害も多いですよね。その復旧工事のためにも、土木施工管理技士の資格があるとないとでは、対応できる現場の規模が変わってくるんですね
土木施工管理技士の資格の種類
土木施工管理技士には、1級と2級があります。
1級はすべての土木工事で、作業工程ごとの責任者である主任技術者と現場の全体を指揮する監理技術者の両方に選ばれることができ、あらゆる土木工事で施工管理や安全管理の業務をすることができます。2級は1級と資格形態が異なり、試験内容が土木・鋼構造物塗装・薬液注入の3種類に分かれています。
とくに1級土木施工管理技士は難易度も高い上に法律上も必要とされる場合があり、取得していればかなり評価が違ってきます。つまり、ステップアップするためにはとても重要になる資格です。

1級の方が難易度は高いため、まずは力試しに2級にチャレンジする方も多いようです。
土木施工管理技士の受験資格と合格率は?
土木施工管理技士の受験資格
土木施工管理技士は、誰でも受験できる資格ではありません。1級、2級ともに受験資格を得るためには一定の実務経験が必要です。必要な実務経験の期間は学歴によって変わり、詳しい内容は下記の通りです。
土木施工管理技士1級の受験資格
- 大学・専門学校(高度専門士)卒業後、実務経験3年以上
- 短期大学・高等専門学校・専門学校(専門士)卒業後、実務経験5年以上
- 高等学校・中等教育学校・専門学校(高度専門士と専門士を除く)卒業後、実務経験10年以上
- 上記の学歴以外の場合は実務経験15年以上
- 土木施工管理技士2級合格後の実務経験5年以上
- 土木施工管理技士2級合格後の実務経験5年未満、高等学校・中等教育学校・専門学校(高度専門士と専門士を除く)卒業後の実務経験9年以上
- 土木施工管理技士2級合格後の実務経験5年未満、実務経験14年以上
- 専任の主任技術者経験が365日以上、土木施工管理技士2級合格後の実務経験3年以上
- 専任の主任技術者経験が365日以上、土木施工管理技士2級合格後の実務経験3年未満、短期大学・高等専門学校・専門学校(専門士)卒業
- 専任の主任技術者経験が365日以上、土木施工管理技士2級合格後の実務経験3年未満、高等学校・中等教育学校・専門学校(高度専門士と専門士を除く)卒業後の実務経験7年以上
- 専任の主任技術者経験が365日以上、土木施工管理技士2級合格後の実務経験3年未満、実務経験12年以上
- 専任の主任技術者経験が365日以上、土木施工管理技士2級未取得、高等学校・中等教育学校・専門学校(高度専門士と専門士を除く)卒業後の実務経験8年以上
- 専任の主任技術者経験が365日以上、土木施工管理技士2級未取得、実務経験13年以上
土木施工管理技士2級の受験資格
- 大学、専門学校(硬度専門士)卒業後、実務経験1年以上
- 短期大学、高等専門学校、専門学校(専門士)卒業後、実務経験2年以上
- 高等学校、中等教育学校、専門学校(高度専門士と専門士を除く)卒業後、3年以上
- 上記の学歴以外の場合は実務経験8年以上
土木施工管理技士の難易度と合格率は?
土木施工管理技士の試験内容は学科と実地の2科目です。学科は、土木工学・施工管理法・法規の3つ、実地は施工管理になります。1級、2級とも学科が合格した人だけ、実地試験を受けることが出来ます。
土木施工管理技士は国家資格の中でも、比較的難易度は易しい内容とされています。しっかりと勉強さえしていれば合格は狙いやすい資格と言えるでしょう。学科試験と実地試験それぞれの合格率は下記の通りです。
学科試験 | 実技試験 | |
1級 | 55% | 37% |
2級 | 51% | 32% |

なお、1級は学科に合格して実地に不合格だった場合に翌年だけ学科試験が免除される制度もあるみたいです。次は必ず合格できるようにとチャンスが続くのはいいですね
土木施工管理技士の需要
土木施工管理技士の需要は広がっている
土木施工管理技士になると主任技術者や管理技術者になれます。
土木工事自体はどちらかといえば力仕事が中心になるので一般作業員の需要も十分にあるのが実情ですが、社内で昇給や昇進を目指していくうえで土木施工管理技士の資格は必須といえるでしょう。
初めにお話したように土木施工管理技士の需要はさらに広がって来ています。各自治体での一級土木施工管理技士の確保は緊急課題と言われています。全国的に一級土木施工管理技士は不足しているので、ほとんど争奪戦に近い状態です。

オリンピックを目の前に建設業界が盛り上がる中、施工管理を行える人間がいなければ工事を進めていくことはできないので、そういった現場でも重宝されているようです!土木工事に携わりできるだけ長く最前線で活躍していきたいのであれば、ぜひこの資格取得を目指してみてください!
災害現場で必要とされる土木施工管理技士
特にここ何年かは集中豪雨や台風などの災害が増えてきて、国の災害指定をうけるような大規模災害は珍しくなくなりました。このような災害が一度起こると、復旧が完了するまでには最低2年くらいはかかります。
市町村には県から職員が派遣され、県も各地から職員を集めて総動員のドタバタ対応となりますので、現場経験者の迅速な判断力は貴重です。このようなときの対応力という点においても、土木施工管理技士は日頃から臨機応変な対応を求められる仕事をこなしていますので、その技術が必要とされるわけなのです。
まとめ
今は資格を取得する方も増えましたが、それでも資格者の数は足りていません。これからも土木施工管理技士の需要は高まることはあっても減ることはないでしょう。
また、管理技士の資格を取得するためには実務経験が必ずいりますので、今現場で働いていることも資格取得に繋がっていきます。資格を取りたいと思ったらまず2級から挑戦していきましょう。

資格に合格したらお祝い金を出したり資格手当をつけたりしてくれる会社も多いようです。受験資格を満たしているのでしたら、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
本日はここまで。引き続きPOPCONEでは、資格紹介などお役立ち情報も届けて参りますのでチェックしてみてくださいね。
以上、とまこでした。
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